爆益への意志
私が株式投資を本格的に開始しようと思ったので3年程立つかと思っていたが、過去の取引履歴を参照したところ実際のところ本格的に初めてからまだ2年も経っていなかった。いかにいい加減で適当な人間であるかということを実感する。
そんな私は自然と株式投資に興味を抱くようになった。
毎朝朝5時に起きてやりたくもない仕事に勤しむ日々の中で「いつか会社をやめて朝いつまでも寝ていられる自由を手に入れたい」と自然と思うようになった。
当時貯金額が700万程度になり、そろそろそれをすべて株に突っ込んで短期間で爆益、あわよくば2,3年で専業投資家にでもなってやろうという曖昧無垢な考えを抱いてた。株式投資気は勝ち負けの世界。堅実な安定投資などやっていられるもんか!!!今もその考え方は変わっていない。
当時私は安定感抜群といわれる米国株にも注目したが、超短期での爆益という観点から買いに行ける銘柄を見つけるのは難しく、どちらかというと短期的に大きな値動きのあった日本の個別銘柄市場に惹かれていった。
6938双信電機
そんな私が最初に大きく買った銘柄は6938双信電機だった。この銘柄を選んだ理由は当時Twitterで旬のテーマ株をつぶやいてくれるレモスコさんが防衛関連株としてイチオシしていた銘柄であったからである。
レモスコさんのTwitterを見た当時、とりあえずチャート的にもなんとなく押していた感があったのでNISA枠で1000株610円あたりを成り行きで買った。翌営業日にストップ高になった。
双信電機は電磁波パルス対策の一角を担う小型株として大きく注目され株価は短期間で上昇の一途をたどった。私は最終的に計6000株くらいまで買い増しをして一時含み益が200万を超えたときは天にも昇る気持ちだった。
レモスコさんは電磁波パルス対策の市場規模を熱弁しており、私もそれに大いに賛同した。
「北朝鮮がミサイルを打ち、脅威が続く限り双信電機の株価はどこまでも伸びていくはず。」
当時株価1500円、2000円という数字が個人投資家の間では意識されており、私はそんな数字は単なる突破点だと本気で信じていた。しかしそうではなかった。
株価は1200円を超えたあたりで急落して北朝鮮の話題にも徐々に反応しなくなっていった。
そんな中でも私は「世間はこの銘柄の重要性に気づいていない。必ず株価2000円は超えてくるはずだ。」と自分の都合のいいように思い込み続け利益確定はできなかった。しかし株価が再度高値を目指すことはなく、北朝鮮ミサイル問題も徐々に収束へと向かっていった。
私の勝手な思惑はとうとう実を結ばず最終的に30万以上の損切りで終わった。これが私の初めて大きく勝負に出た投資体験であった。
今考えれば伸び悩んだ1200円近辺を大きく割った時点で欲ばらずに利確すべきだったと後悔している。しかし一つの銘柄に固執してしまう感覚、これを身をもって体験できたと思う。株式投資で勝つためには個別銘柄を愛してはいけないと。そんな教訓を得たとでも思いたい。
次回へ続く