今週は今気になる会社1723日本電技と5727東邦チタニウムのオンライン説明会を視聴した。最近明らかに色んな会社の個人投資家の説明会が増えているのを感じる。この2社も個人投資家向け説明会を見るのは初めてである。
1723日本電技
受注の流れ
ゼネコン→空調サブコン→計装会社が基本。足元でもこの受注形態に大きな変化はない。が直接工事、メンテナンス受注を直接なども増えている。期初の時点では選別受注で受注高減少予想だったが、想定以上に首都圏の大規模再開発関連、半導体関連など受注件数増加と受注単価が増加傾向にある。
超大型の半導体工場、いくつかの半導体工場関連の案件も過去に受注している。大型の現場は特に精度の高い空調計装が必要。自動車関連のバッテリー工場、首都圏再開発が旺盛に出てきている。全国的に大型の案件が着工。
ポジショニング
空調制御システムではアズビルが国内シェア約7割。アズビル本体と日本電技含め大手は4社のみしかない。経験工学で各種資格の保有が必要、人材育成にも一定時間がかかる。参入障壁は非常に高いと認識。
安定した収益構造及び高水準な粗利率
新設後にもメンテナンス改修が必要なのでストック型ビジネスで収益性は安定。コロナ禍でもROE10%を維持していた。
中期経営計画の環境認識
以上、自分の解釈含めた簡単なまとめ。
IRページにアナリスト向け説明会のスクリプトも出ていてやはりそちらの方が質疑の内容回答などが濃いと感じ勉強になった。足元の状況などより詳しく説明されていて参考になった。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/1723/ir_material_for_fiscal_ym/169472/00.pdf
以下一部抜粋
>>われわれのメーカーのアズビルは、もともと山武ハネウエルという会社でそれが今アズビルという会社に変わっています。そのアズビルさんの販売代理店が、東テク、オーテック、日本電技と、まだ他にもたくさん地域ごとに 20 何社あるのですが、その中の大手がこの 3 社となっております。
そういう意味ではアズビルさんの製品を扱う販売店同士という立ち位置で 3 社がいます。この計装工事については、アズビルさんのメーカー自体も工事をやるんです。ですから、多分シェアとしては、アズビルさんのメーカーがやってる工事のシェアが一番大きいと思います。その次に多分当社だと思うんですけれども。あと東テクさんもオーテックさんも非常に近い量の仕事をやっているという形になります。
当社の各案件の規模が、大幅に大型化しているというところで、当初は大型の案件は技 術的にも非常に難しい案件があって、従来はメーカー主導で行われていたという流れがあったんですけれども、この数年で当社もその領域を受注して実績を積んできているというところもあって、今の大型の案件の対応が可能になってきたと。
当社ですと、先ほどアズビルというメーカーの名前が出ましたけれども、アズビルがシステムの設計をやり始めるということで、お客さんから依頼が来るとですね、その設計の手伝いを始めるわけですけど、設計を始めてから完成するまで、やっぱり 3 年から 4 年ぐらいかかるわけです。その設計を始めている段階で、どれぐらいの市場・仕事が国内にあるのかっていうのは、本当にやるかどうかは別としまして、その設計量という意味ではかなり見えてる部分があると。
ゼネコンさんの場合は、われわれよりももっと長く工期を見ているというか、最初の建
設から入ってますので、われわれが参加する以前から、もう価格を決めているというところで。われわれは最後の最後での契約という形になりますが、ここまでいろんな資材の高騰が年々上がってきているような状況で、ゼネコンさんの場合はもっと前に受注を決めているところで、今の金額で実際に施工するとなると、現場もかなり厳しい状況があると思います。
その辺は今だいぶ全体の業界として改善されてきているとは思うのですが、その時間差の部分が関係しているのかなと思ってます。当社の場合はやっぱり最終計装工事だけですので、最終的な計装工事を受注して施工するという期間がやや短く設定できますので、そのギャップは少し短い中で判断できるのかとは思っています。
まとめ
現在の強みなど
・足元の事業環境は好調。見込まる工事量から少なくとも今後数年先まで好調継続?
・空調計装工事を手掛ける業界はアズビル含め大手4社で寡占状態。ゼネコンと比べて受注から施工までの期間を短く設定できることもあり価格転嫁がしやすい。
・経験工学の分野であり参入障壁が高い。
リスク要因
・空調制御システムメーカーのアズビルにほぼ100%依存。今のところアズビル自体も国内事業好調だが今後もし2位のジョンソンコントロールズ日立空調がアズビル以上に国内勢力を拡大していくような流れになればピンチ。
・人材確保が大きなボトルネック。建築関係は特に人材確保育成が課題というイメージ。今後人員不足による施工能力低下、人材採用費などが想定以上の負担大となる可能性がある。
5727東邦チタニウム
・チタン鉱石はルチル鉱石の埋蔵量は少ないので主としてイルミナイトを加工したものを原料としている。主にカナダ、インド、アフリカから原料鉱石を輸入している。鉱石の埋蔵量は7億5千万トンで原料枯渇の心配はしばらくないと見られている。